ペン軸で選ぶ万年筆のコツを学ぼう!

万年筆で快適に書くためには、ペン軸の重さや長さが重要になります。というのも、持っているときに疲れやすくなったり、不安定に感じる原因は、ペン先以上に万年筆の軸の部分が問題となるからです。

この記事では、より使い勝手のよい、自分に合った軸の選び方を、重さと長さというポイントに着目してまとめたいと思います。

使い勝手が変わる!疲れにくい重さとは?

万年筆の軸の重さは持ったときの安定感を決める重要な要素ですが、どの程度の期間ペンを持って筆記するかによって、良い重さというのは変化します。

たとえば、短時間で少量書くなら安定しやすい重いペン軸を選ぶのをおすすめします。なぜなら、少し重みがあった方がパッと持った時に落ち着きのよいポジションにペンが収まるからです。

メモ書き程度の時間で使用するのであれば、重いペン軸に加えて硬いペン先を選ぶとより良いでしょう。というのも、ペン先がやわらかい場合ゆったりとのびのびと書くのには向いているのですが、省スペースにすばやく書くには細字でカリカリとしたものの方が向いているからです。

逆に、長時間でたくさんの文字を書く場合、より軽い軸の、よりやわらかいペン先のものを選ぶ方が、筆圧からくる疲れを感じさせません。ペンの位置のおさまりは書いている間に落ち着くので無理に重く感じる万年筆よりも、軽いものの方が良いのです。

無理に重い万年筆を使用しようとすれば、むしろ移動しているうちに腕へ負担をかけてしまう可能性もあります。自分がどの程度継続して万年筆を使うのか、選ぶ際は念頭に置いて選ぶとよいでしょう。

なお、実際に見て買わない場合、気をつける必要があるのがキャップをつけるかどうかでも重さが変化する点です。

ウェブサイトにはキャップを含めた重量も載っていますので、単純にペン先側だけの重量を見るのではなく、キャップをつけたらどうなるかな?と想像すると、イメージの食い違いを防げるでしょう。

安定を求めるなら!軸の長さを決めよう

重さの次に重要なのが長さの問題です。ペン先のどこをもつかでも変化するので一概には言えませんが、一般的には定番商品で売れすじと言われているものは最もバランスがよくどんな方にも合った長さだと言えます。

長すぎては書いている間に後ろに引っ張られて引きずられる感覚を持ってしまいますし、短すぎても安定せずごろごろとした感覚になってしまうことがあります。

なおキャップがある場合、キャップを後ろにつけた分で長さは伸びるので、そのままつけて使うのかはずして使うのかでバランスが変わります。キャップをつけてバランスが悪くても、キャップをはずすことでバランスがよくなる場合もあるので、自分がしっくりとくる長さになるよう工夫も必要です。

ともあれ、自分にとって一番バランスのとれた安定した長さや重さを模索しましょう。なお、どのメーカーでもさまざまな長さや太さで商品展開していますので、とりあえず片っぱしから全部試してみるつもりで試筆することをおすすめします。

結局見た目が8割!?自分の好みを知る方法教えます!

万年筆は一期一会、一目ぼれが買うのが一番だよ。そんなことを言われたことはありませんか?たしかに直観は大事ですが、直感以前に自分が「何」を「どう」して好きなのかなんて、なかなかすぐには見つけられません。

見た目の好みで買うと一言でいっても、そもそもどのようなものがあるのか知らなければ甲乙つけようがありません。そこでこの記事では万年筆の外装に着目してみたいと思います。

決定打は見た目!

万年筆の選び方の方法としては、ペン軸の太さや重さ、ペン先の種類、用途によって変える、などいろいろな方法ありますが、このような基本的な内部構造にかかわる部分はそう極端に異なることは意外となかったりします。

逆に外装は様々なもので変化させることが可能です。たとえば色合、つや、ペン軸の素材はレジンかなのか?真鍮か?金なのか銀なのか?といった素材の問題、あとは全体的な外見がスマートなのかすこしふっくらしているのか、といったものです。

同じペン軸の太さ、重みを持っていて、ペン先の太さもあまり変わらない…であるなら、見た目が一番好きなものを選びたくなりますよね。

見た目で分類するならば以下の方法があります。

色で決めよう

万年筆は黒でシルバーばかり、そう思ってはいませんか?実はビビッドでカラフルなもの、ラメの入った光沢のあるものなど、さまざまな商品が存在するんです!もちろん、シックで黒光りするものもありますが、縞模様、まだら模様など色合いの好みで決めるのも一興です。

付属する金属で決めよう

キャップやロゴマークなどの部分が、金や銀、プラチナ、ピンクゴールドなどで装飾されているもの、さらには宝石がそのまま埋め込まれているものも!高級感のあるデザインがお好みの方はアクセサリー感覚でそのような万年筆を選択するのもいいかもしれません。

全体のフォルムで決めよう

ふっくら太めのフォルムが好きか、それともスマートな細身か。そのような単純な見た目も重要な要素のうちのひとつです。直線的なものからゆるやかな曲線を描くものまで様々あるので、選びがいがあります。

また、フォルムに関しては自分の筆記をする上での長さの好みなども加味して考えるとより良いでしょう

軸の素材で決めよう

先ほどはキャップなどの一部の部分を装飾している金属について言及しましたが、軸全体のデザインの素材も重要です。重厚感のある真鍮製、スチールや総銀のつややかでメタリックなデザイン、同じメタリックでも逆に曇りガラスのように曇らせたものもあります。

金属製のものだけでなく、おもちゃのようなプラスティック製、軽やかなレジン、中の機構が丸見えのスケルトンなども含めれば、選べないほど選択肢が広く感じられるのではないでしょうか。

決定打は見た目!

さて、さまざまな観点で好みの分かれそうな外装のポイントを押さえてみましたが、なにかぴんとくるものがありましたでしょうか?

万年筆のスペック説明では軸の素材やフォルムについてまではあまり書いてあることは少ないのですが、使ってみるとむしろ気になる部分であったりします。上記のポイントに注目して、自分の好みのものが選べるようになるといいですね。

オブリーク?ミュージック?多種多様なペン先の形で遊ぼう

万年筆のペン先としては細字や中字、太字が一般的です。とはいえ、実はペン先はそれだけじゃないんです!この記事ではオブリークやミュージックといった、特殊な用途のために作られた様々な形の特殊なペン先について解説します。

普通のものと違うっていうけど、どんな種類があるの?

特殊なペン先、と言われてもよくわからないですよね。まず、太字傾向のものと細字傾向のものとがあるので二つに分類して説明することにします。

太字のものとしては「オブリーク(傾斜文字)」「スタブ(縦太横細)」「コース(特太字)」「ズーム(太字)」「ミュージック(縦太横細字)」があります。それぞれの特徴は以下の表をご参照ください。

名前 特徴
オブリーク ペン先が傾斜していることが特徴です。ペン先を内側にねじって書く方にお勧めです。
スタブ 縦線を書くと太く、横線を書くと細字になることが特徴です。字幅が異なり、カリグラフィーのような文字を書くことができます。
コース 特太字と訳されるように、非常に太い文字を書くことができます。大きな画面に大きな文字を書きたいという方向けです。
ズーム ペン先の角度を立てたり寝かせたりすることで太さが変わるのが特徴です。コースよりも細いものの、比較的太く線が引けます。
ミュージック 写譜用とも呼ばれるように、本来は楽譜(五線譜)用のペン先です。太字よりもより太く文字の書けますが、強弱をつけることもでき、ズームのより特殊な形ともいえるかもしれません。

細字のものは「ソフト」「フォルカン」「ポスティング」「ウェーバリー」があります。こちらも表にしましたので参考にしてください。

名前 特徴
ソフト ペン先がやわらかく圧力を加えると字幅に強弱がつくようになっているのが特徴です。比較的筆圧の弱い方に向いています。
フォルカン ソフトをさらに柔らかくした筆のような強弱をつけることができるペン先です。傷みやすくなってしまいますが、つけペンのような楽しみ方ができます。
ポスティング ペン先が下を向いているのが特徴です。極細字をさらに細くした字幅で、帳簿や小さなメモのような細かな文字を書くのに便利です。
ウェーバリ ペン先を上向き反り上がっているのが特徴です。中字と同じくらいの字幅で、ボールペンのようにペン先を立てても筆記できるのが特徴です。

そのほかにもさまざまなペン先が存在しています。あまり店頭に並んでいることはありませんが、ぜひ探してみてください。

なお、ペン先の形状にも種類があり、オープンニブ(ニブはペン先のことです)・フーデットニブ・ウィングニブ・インレイニブなどおもに4種類があります。基本的にはオープンニブなのですが、2本目3本目には他の形状のものも試しに購入してもいいかもしれませんね。

【細字VS太字】好み変わるってほんと?仁義なき太さ論争

万年筆のペン先の太さは大まかには細字・中字・太字の三つがありますが、万年筆好きの間でよく言われるのが「万年筆を使っていくと細字から太字へ好みが変わるらしい」という噂です。逆にいえば、好みがはっきり分かれるほど細字と太字は違うということでもあります。

この記事では初心者の方にもわかりやすいように太さによって変わる特徴を解説したいと思います。

その前に!太さの違いについて知ろう

特徴を知る前の事前知識として、万年筆とペン先の太さの関係についておさらいしておきましょう。

会社によっても基準が異なるため、「細字」といったらこの太さ、というような絶対的な基準は存在しません。製図用のペンのようには精密に決まっているわけではありませんが、細かく分けると極細・細・中・太・極太の五種類が一般的な太さの段階です。

全体的な傾向として、同じ「細字」と言われているものであっても日本で作られたペン先よりも海外のペン先は太めに作られていることが多くあります。場合によっては日本では中字といっていいほど太いペン先もあります。

これは単に「細字」と「中字」、「太字」に対する基準が会社で異なるだけではなく、個体差によって異なる場合もあります。外装もそうですがペン先には個体差がはっきりとる限り対面で実際に使って確認してから購入すると失敗が少なくなるでしょう。

「細字」と「太字」の違いは、そのペンの太さだけではありません。線の引きやすさが違うんです。もともと万年筆はインクの表面張力を利用して筆記するので、ペン先と紙を一定の角度と方向を保って書く必要があり、ペンの持ち方にも少しコツが必要です。

細字よりも太字の方がよりペンポイントの幅が広がるので、慣れていない方やペンの持ち方が悪いとなかなか線が引けない場合があるのです。そのため、ペンの持ち方に自信がないな…という万年筆初心者には細字か中字をまず購入することをおすすめします。

細字派と太字派が気にしているポイントとは!?

事前知識をおさらいしたところで、細字と太字の違いをみていきましょう。

・細字の特徴

漢字などの細かい字や線も引くことができ、堅めのペン先が多いです。絶対的にインクの量が少ないため、紙にすぐインクが吸われていき、余計なインクが溜まらないのが特徴的です。非常にボールペンに近い感覚で筆記できます。

一方でインク溜りがほとんどないため、インク溜まりにできるインクの色の変化を楽しむことができません。速筆で細かな字を書きたい方、インクの色の変化があまり好きでない方向けです。

・太字の特徴

のびのびと太い文字を大きな画面に書くことができます。ペン先は最もやわらかく感じられ、インク溜まりもたくさんできるためインクの色の変化を楽しむことができます。

逆に言うとたくさんインクが出てしまうため、インクの減りが気になったり、早く書き進めたい場合にインクの乾きをまたなければならないのが欠点でしょう。インクの色や変化を楽しみたいのであれば太字がおすすめです。

以上、いかがだったでしょうか。

万年筆のペン先の好みが細字から太字へ変化するは、正しい持ち方に慣れていないためうまく線が引けない方が多いことと、万年筆を好きになってもっとインクを楽しみたいといったこだわりが増えることが影響しているように思われます。

とはいえ太字が好きだった方が細字の魅力にはまってしまったということもあり、一概に言えないのが太さ論争の面白みです。この記事を読んだあなたはどちらだと思いましたか?お好みの太さを見つけて楽しい万年筆ライフを送りましょう!

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