やっぱり金ペン?スチールでも問題ない?ペン先の選び方

万年筆で最も重要なのが、実はペン先なのではないでしょうか。万年筆のペン先としてよく使用されるものは、スチール(鉄製)、金、銀、場合によってプラチナなど、高級なアクセサリーにもよくつかわれる貴重な金属です。

なかでも金は14~24金まで網羅されている人気ぶりです。一般的にすぐれているといわれる金製のペンですが、他の金属とはいったいどれほど違うのでしょうか?

よく使用されるスチールと金のペン先の違いと特徴について以下にまとめてみました。

スチールの特徴ってなにがあるの?

スチールは金や銀と異なり安価であるため、お手頃価格で手に入るなペン先です。金とくらべても固く頑丈な金属であるため、衝撃に強くちょっとやそっとでは壊れることはありません。

繊細で扱いが難しいといわれる万年筆ですが、わざわざ壊そうとしなければほとんど壊れることはありません。とはいえやはり衝撃に強いスチールの方が破損のトラブルは避けられるでしょう。

傾向として、子供向けの習字ペン用万年筆や持ち運び重視のメモ用の万年筆といった、落下の危険性のあるペンにはスチールが使用されていることが多いです。

金に比べて固くがりっとした書き心地で、個体差はありますが筆記の際引っかかりを覚える方が多くいます。デメリットとして捉えられることもありますが、ボールペンのような筆記感はローラーボールや固い筆記感が好みの方はこちらの方を好む場合もあります。

スチールはするすると書ける金ペンより書いている実感があるため、握力が強くボールペンのような筆記感がお好みの方にお勧めです。

金ペンってどんなペン先?

万年筆の醍醐味ともいわれる滑らかな筆記を可能にするのが金ペンです。その見た目の高級感だけでなく、実際に筆記してみるとペンポイントのあたりが柔らかく、「ぬらぬら」や「すらすら」といった形容詞で例えられます。

紙の上をすーっと伸びるように筆記ができ、書き方にもよりますががりがりとした引っ掛かりはほとんどありません。筆記に筆圧は必要ない万年筆のなかでも、特に軽い筆記感を楽しめます。柔らかい金属であるため、自分の筆記癖に合わせてペン先が変化していくのも金ペンの醍醐味の一つです。

長年使って壊れてしまうほどではありませんが、削れていったり癖でゆがんでしまったりと、ペン先のメンテナンスは定期的にに行う必要があります。その分自分になじんだペン先を楽しむことができ、人に貸すと癖がつくので絶対に触らせないという人もいる程です。

また、万年筆マニアの方々の間では、極太字をまず購入し、自分の好みのペン先まで細くするといった楽しみ方をしている方もいらっしゃいます。

デメリットとしては単価が高く高価になってしまうことのほかに、また柔らかい金属のため衝撃に弱いことが挙げられます。誤ってペン先が露出したまま落としてしまったりした場合、当たりが悪いとペン先がひしゃげてしまう場合もあり、取扱には十分な注意が必要です。

また、同様の理由で筆圧が強い方が持つとゆがみや癖が激しくついてしまう可能性がありますので、あまり筆圧の強すぎる方にはお勧めできないかもしれません。

とはいえ万年筆を使用していくとどんどん筆圧がなくなっていく、というのが万年筆ファンの間で囁かれている逸話のひとつでもあります。せっかく万年筆を持つならぜひ一度は金ペンに挑戦してみていただきたいものです。

カートリッジ?吸入式?インクの入れ方をマスターせよ!

万年筆には様々な種類が存在しますが、なかでも重要になる要素のひとつにインクの補充の仕方があります。万年筆のインクの補充方法にはおもに、カートリッジ・コンバータ・吸入式の三つの種類があります。

以下に初心者の方にもわかりやすいようまとめてみましたので、選ぶ時の参考にしてみてください。

・カートリッジ

ボールペンやシャープペンシルの芯と同じように、フィルムに入ったカートリッジをペン先にさしてインクを使用する方法です。ボールペンとほとんど変わりませんので、想像しやすいのではないでしょうか。

カートリッジの利点として、出先でも交換が楽であることと、インクボトルを使用しないために机や手が交換で汚れることがほとんどないことが挙げられます。

欠点と言えば、一本一本の単価が高く、コストパフォーマンスといた意味ではあまりお勧めできないことでしょう。また、メーカー各社専用の純正のカートリッジの使用が推奨されるため、インクボトルの様々な色の変化を楽しめません。

・コンバータ

カートリッジを使用できる万年筆のうち、カートリッジでは不可能なインクボトルの使用を可能にしたのがコンバータです。カートリッジと同様にペン先に差して使用しますが、インクボトルにペン先を直接浸して後ろの吸入軸を回してインクを吸入します。

利点としては、カートリッジで使用していた万年筆でインクボトルのインクを使用したくなったときにインクボトルが使用できることでしょう。また、インクボトルが嫌になれば、カートリッジに戻れることも魅力の一つでしょう。

欠点としてはインクの交換がインクボトルを使用するため、机が汚れる可能性が高く場所が限られ、また必要な時に手早く交換できないことが挙げられます。

とはいえ、インクボトルを使用すると、使用できるインクの幅が大きく広がります。インクで楽しむのも万年筆の筆記の楽しみのうちなので、始めはカートリッジだけで良いと思ったとしても、一応コンバータも使える万年筆にしておくことをお勧めします。

・吸入式

ペンの構造そのものが吸入式でインクを吸う仕組みになっていて、カートリッジが使用できないのが吸入式の万年筆です。ペンそのものがインクを吸入する形になっていて、取り外せないコンバータと考えるとわかりやすいかもしれません。

コンバータと異なるのは吸入できるインクの量です。取り外し可能なコンバータは構造上容量が少なくなりやすいのですが、吸入式はペン一本めいいっぱいの容量をインクタンクとして使用できます。そのため、インクの持ちは3種類のなかで吸入式がぴか一です。

吸入式には繰り出し式とポンプ式など複数種類がありますが、コンバータと同じくペン先をインクボトルに浸して直接インクを吸い上げるため、ボールペンしか使用したことのない方は戸惑うかもしれません。

ただ、この自分でインクを吸わせて補充できることこそ吸入式の醍醐味でもあり、自分が動かしてインクを入れていると実感できる方が好きという方も多くいらっしゃいます。

三種類から選ぶならどれがいいだろう!?

吸入式がインク換えを一番楽しめますが、出先では圧倒的にカートリッジが便利です。使用用途によって使い分けできるのが一番ですが、どのくらい自分が書くか考えてインクの交換方法を選ぶことをお勧めします。

なお、ボールペンのように使い捨ての万年筆も最近は販売されていて、場合によってインクが交換できないものが存在しますので、購入する際は気を付けてくださいね。

【日本製VS舶来物】万年筆大論争【あなたはどっち?】

万年筆の世界に触れて、一度は耳にするのが「あなたは和製派?それとも舶来物派?」という議論です。といっても、初心者の方が聞いてもなにそれ?何が違うの?と疑問に思ってしまいますよね。

そもそも、国別で万年筆に違いはあるのでしょうか?この記事ではこの二つの派閥についてわかりやすく解説したいと思います。

違いその1:値段に違いがある!

舶来物は輸入品であるため、関税や輸送費、ブランドの価値戦略のため価格が高くなります。和製のものに比べて通常2~3倍の値段に設定されているのが相場です。

エントリーモデルと言われる金ペンの万年筆を例とると、ほぼ同スペックの和製の万年筆の価格が1万円前後であるのに対し、舶来物は3万円程度に設定されています。

違いその2:ペン先の繊細さが違う!

次によく言われる特徴として、ペン先の太さの違いがあります。

漢字文化の日本では、狭い範囲に細かく線を引かなければならないためか、全体的に舶来物に比べて細く作られています。また極細字と中字を比べた時の太さの違いでも、かなり明確に太さが変わります。

他方、舶来物の極細字と中字はほぼ変わらないようにしか見えないこともあります。これは単なるクオリティの差だけの問題ではないでしょう。アルファベットでは字に強弱がほとんど必要とされないからです。

個人的に、舶来物と和製の好みに差が出て議論になるのはこのペン先の問題が最も大きいのではないかと思われます。

違いその3:デザインに違いがある!

ペン先の太さの次によく指摘されるのが、デザインです。これはなにも螺鈿や蒔絵といった日本ならではのラグジュアリーな万年筆のことだけを指しているわけではありません。

特にエントリーモデルで顕著なのが、黒色にスマートなフォルムの万年筆です。ドイツのモンブランに代表される「万年筆」といえばこれ!といえる形ですね。日本の会社ではほぼ間違いなく一本は販売されています。

スタンダードで機能的、奇をてらわない堅実なデザインですが、逆に言えば遊び心やおしゃれさには欠けるともいえるかもしれません。

対しておなじエントリーモデルでも舶来物にはショッキングイエローや黄緑など、カラフルで形も様々なものが販売されています。舶来物派の方にはペン先だけでなくスタイリッシュなデザインの万年筆がお好みの方が多く見られます。

国によっても特徴があるらしい!?

なお、舶来物と一口に言っても国によっても違いがあります。例えば、ドイツやイタリアの会社はペン先を自国で作っていますが、フランスのブランドは他社のものを流用しデザインのみで販売していることもあります。

これは日本製と舶来物で異なるというほどの差ではありませんが、品質が安定しているのか、どんなデザインのものが多いのか、といった点で国別の傾向がわかります。

ペン先や品質に限っていうならば、ドイツのものはどれも均一ですが、イタリアのものはばらつきがある、といった特徴です。大してデザインでいえばイタリアやフランスのものがよりスタイリッシュで良いという方もいます。

単に会社の名前や知名度だけでなく、国や文化にも思いを馳せて決めてみるのもいいですね。

さて、そろそろ初心者でもどちらがいいか選べるような気がしてきたのではないでしょうか。あなたは和製派ですか、舶来物派ですか?万年筆の世界に踏み込んだ記念に、ぜひ一度は考えてみてくださいね。

【価格帯別】自分にあった予算と万年筆の決め方

筆者が万年筆が欲しい!と思いたって万年筆について調べた始めた頃、まず驚いたのが一本あたりの値段の高さでした。でもご安心下さい。万年筆は様々な価格帯で展開していますので、自分にあった予算で選ぶことができるんです!

この記事ではそれぞれの価格帯ごとの特徴と、予算の決め方のコツについてご紹介します。最も重要なのが、価格帯の幅とその特徴を知ることでしょう。以下に簡単にまとめてみました。

①100円~2000円

非常に廉価な価格帯です。万年筆は一般的に個体差があると言われていますが、この価格帯では特にその差が激しく、粗悪品も多く販売されています。とりあえず「万年筆」であればなんでも良いという方向けの価格帯です。

書き心地もボールペンに近いものが多いので、万年筆らしいペンを選びたい場合、あまりおすすめできません。インクについても使い捨てもしくはカートリッジのみで、インクボトルを使用することは出来ません。

安くていいから何本も大量に集めたい、というような明確な目的がある場合には良い価格帯でしょう。

②3000円~1万円未満

万年筆のエントリー版ともいえる価格帯です。基本的にスチールのペン先のものしかありませんが、3000円未満のものに比べて粗悪品は少なくなるのが特徴の一つです。

見た目に関する特徴として、プラスティック製のカラフルで賑やかな商品が多いことが挙げられます。ヨーロッパでは子供向けの習字ペンとして利用されることもあるためか、遊び心のある商品も多く見られます。

全く万年筆に触ったことがない、という方はまずこの価格帯を試すことをお勧めします。コンバータ別売の場合が多いため、インクボトルを使用したい場合は注意が必要ですが、基本的な筆記感は定番の万年筆と変わらず楽しめるはずです。

③1万円~3万円前後

万年筆らしい書き心地を楽しめる金ペンはこの価格帯から扱われます。スタンダードで人気の高い万年筆はだいたいこの価格帯で、各社の商品展開が最も多い価格帯です。

ペン先やデザイン等も、豪奢なものを除いてほぼ網羅されています。外装ではレジン・真鍮・木製・ガラス製など、ペン先では金ペン、スチール、太さも極細から極太まで幅広く選べるのが特徴です。

カートリッジ、コンバータ、吸入式が選べるため、インクボトルが使用したい方にもお勧めの価格帯です。ただ、問題というほどではないかもしれませんが、他の人とはひと味違う特別なものが良いという方には、少し物足りないかもしれません。

④4万円~10万円

デザイナーやブランド的な要素が強くなってくる価格帯になります。たとえば万年筆にジュエリーが付いている、プラチナのペン先である等の付加価値で値段が変化します。また、定番商品の限定版などでも場合によってこの価格帯になることがあります。

かならずしも筆記には向いて物もあり、スタンダードなものや、筆記感よりも外装の豪奢さを楽しみたい人向けでしょう。

⑤100万円~

こちらは蒔絵や彫刻、貴石がふんだんにあしらわれたコレクター要素の強い価格帯です。基本的にマニア向けのお値段であり、特に中古品は取扱注意が必要です。残念ながら初心者の方にはオススメは出来ません。

初心者の方にお勧めな選び方:

まず②の価格帯から初め、万年筆になれたら③に挑戦する方法です。ただ、予算に余裕があったり、すでにこだわりがはっきりとある場合は③から初めるのも良いでしょう。

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